定積分 [微積分]
日々、必死に勉強しております。
技巧的な定積分の問題をひとつ。パズルのような問題で面白かったので紹介します。
これは正直気が付きませんでした。たぶん、入試ではめったに出ないと思います。
ほとんどパズルみたいな問題なので休憩時間などに気楽に考えてみてください。
ちなみにintegratorによると、この不定積分は初等関数では表せないようです。
解答は気が向けば。。。
*2月21日追記:答え 1/3
コメント欄で鮎波さんが示されたとおりに計算を進めれば、\int_{0}^{1} x^2 dxとなり答えの1/3が得られます。
円周率を求める ~実践篇~ [微積分]
体積を求めるシリーズ(数学記事一覧参照)の「円周率を求める ~理論篇~」の続き。実際に測ってみた。
使う主な道具は定規(今回、底からうまく測れる定規がなかったのでサシガネを用います)と円柱容器。円柱容器は100円ショップでそれらしいのがあったので買いました。たからあまり正確でないことを先に言っておきます。
これが買った容器。転がしてみても曲がっていかないのでまあ良しとします。しかし、底が微妙に凸になっている。なかなか良いのが無かったのです。
さて、水を流すとき底面の円の中心が必要なので求めます。
上の写真のように紙の上に容器を置き鉛筆でその周り一周し円を書いて中心を求めた。
中学の幾何の問題でよくありますよね。円の中心を作図して求めよって。
円の半径は要らないけど参考に。
作図した中心を上から見て油性ペンで印をつけます。転がして中心がぶれなかったので良しとします。
さて、理論篇で導いた式
h、h'、bを求めていきます。
まずは高さhから、
h=11.4
次に水を入れて先程の円の中心まで水を減らし、測ります。
こんなかんじ。思ったより結構少なくなるね。
h'=2.8
さて、bは底の厚みが少し凸になっている関係でわかりにくいのでだいたいの値ですが
b=0.6
これらの値を代入して
計算すると
3.272727…
有効数字を考慮すると実測の円周率は
3.3
実際の値(3.14159…)と比べると一桁のみ一致。
容器の不正確さや表面張力の大きい水を用いたこと、測定精度を考えるとまあこんなもんでしょう。(本当は3回以上は同じことをしなければいけないんだけど・・・)
もっと良い容器があるよって言う人はぜひ簡単なのでやってみてはどうだろうか。
もとの問題は高校の数学Ⅲの標準レベルぐらいの問題なので実際に教室等で実演して、計算し「さて、なぜこの式は円周率に近い値になるのでしょう?正確にやれば円周率に等しいはずなんだけどね」って問題を出せば、面白いと思う。盛り上がりますよ!
あと、円周率を最初に習うのが小学の低学年ぐらいだったと思うけど、「円周率はこれでも求めらるるんだぞ!」って実演して、「なぜかは高校生になったらのお楽しみ」って教えれば効果抜群です!?みんな数ⅢC取りますよ(笑)
解法も僕が示したとおりいろいろな切り口があるので、視野を広げるには良い問題かもしれない。
ぜひ挑戦を!
円周率を求める ~理論篇~ [微積分]
円周率を求める方法は調べれば本当に数え切れないぐらいの方法が存在する。今回は 夏休み特別企画(?)として過去に書いた記事を利用して実際に円柱容器を用いて円周率を求めてみることにする。今回は実践篇の前の理論篇。
円周率πを求めるのに使う道具は「円柱容器」と「定規」のみです。
体積を求めるシリーズ(数学記事一覧参照)で微積分を使っていろいろな解法で体積を求めてきました。
復習します。図において水色部分(液体)の体積は、
図1 半径r、高さhの円柱容器
でしたね。今回ちょっと考察してみましょう。もし円柱容器に液体をいっぱいにして汲めば
図2 高さh
当然、液体の体積V'は
ですね。VとV'を比較してみます。V'では円周率πを含んでいます。当然です。円柱はその「形」から円周率の「情報」を含んでいますから。ところでこの容器を傾けて図1のようにすると、いつの間にか円周率の「情報」が失われてしまいます。不思議です。形を見れば式中に円周率が入っていると予想してしまいそうです。側面が円いですから。しかし、それがそうではないとわかる。
直感的になぜかと問われると、う~ん^^;となってしまう。
話は変わりますが半年ぐらい前ですがこの問題を友達と解いたとき、結果を不思議に思い、これを使えば円周率が求めれられるなぁと気づきました。これを実際に実験して確かめようというのがこの記事です。
さて、どうやってVとV'の違いから円周率を求めるかと言うと、もうお分かりかと思いますが「比」です。詳しく言うと高さの比を用います。1つ目の高さはもちろん円柱の高さhです。2つも高さh'は次のように、
液体を汲んだ容器を傾け液面が中心になるようにし
そして水平に戻してもとめます。
このときの高さがh'です。
h'は簡単な計算で求められます。底面積がπr^2ですから、
もう見えてきましたね。少し式変形すれば、
これで円周率が求められる!
容器の高さを測り、簡単な操作の後、また高さを計るだけで円周率が求まります。簡単でしょう?
しかし、容器のには底の厚みがあるので
図3 厚みb
実際は、
になることに注意します。(h,h'は容器を床に置いたとき床から水面までの高さとします。そのほうが計りやすいので)
ここまで理論的な準備が整ったので今度は実際に実験してましょう。
実践篇へ続く
二重積分で体積を求める 解法4 [微積分]
問題、「体積を求める」の別解。
二重積分で体積を求めます。
座標を下のように決めます。問題文で円柱底面の半径をrとしましたがここでは極座標(r,θ)と混同するので底面の半径をRとします。
二重積分は図の灰色の棒を集めて体積を求めるイメージ。
そのため上図の座標で2変数関数z=f(x,y)と領域Dについて考えます。
このとき求める体積Vは
で求められますね。
円が関わるので極座標への座標変換(x,y)→(r,θ)が有効です。
すなわち
図でみると領域Dは領域D'に変換されます。
図 領域 D
を変換して
図 領域 D'
よって求める体積Vはヤコビアン|J|=rに注意して
計算少なっ!
もちろん答えは今までと同じ。
おそらく今までの解法の中でもっとも簡潔で早い解法だと思います。
今までこんなに一問をいろんな解き方で解いたことは無かったと思う・・・。
さらに別解あり?!
注:高校生や受験生の人へ、二重積分は高校段階では習いません。
ですからこんな解法があるんだなぁ程度で見てください。
決して数学科を目指さない限り深入りはしないでください。
受験で痛い目に遭うかもしれませんので。(経験者は語る(苦笑))。
残念ながら今の日本では新しく自分から学ぶことは重要視されない受験制度になっていますから。
大学での楽しみにとっておきましょう。
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体積を求める-その5 [微積分]
以前書いた問題の答えです。
補足の③での解答を示します。
半径r、高さhの円柱がある。
水色の部分の体積を灰色に示した切り方で求めます。
体積は
で求められることがわかります。
次に問題のS(x)を求めます。
上から見てθを下図のようにおきます。
図 上から見た図
面積を求めるため下のような作戦で求めてみます。
逆三角関数を用いて
ゆえに求める体積Vは
図 r=1,h=1のときのy=S(x)のグラフと求めるV(緑の面積)
ここで逆三角関数の積分が出てきましたが三角関数の微分の記事で書いたことを使いながら部分積分を実行します。例として
となるのでこれを用いて
となり今までの結果と同じ答えが得られました。
いろいろな解法が出来ておもしろいですね。