円周率を求める ~理論篇~ [微積分]
円周率を求める方法は調べれば本当に数え切れないぐらいの方法が存在する。今回は 夏休み特別企画(?)として過去に書いた記事を利用して実際に円柱容器を用いて円周率を求めてみることにする。今回は実践篇の前の理論篇。
円周率πを求めるのに使う道具は「円柱容器」と「定規」のみです。
体積を求めるシリーズ(数学記事一覧参照)で微積分を使っていろいろな解法で体積を求めてきました。
復習します。図において水色部分(液体)の体積は、
図1 半径r、高さhの円柱容器
でしたね。今回ちょっと考察してみましょう。もし円柱容器に液体をいっぱいにして汲めば
図2 高さh
当然、液体の体積V'は
ですね。VとV'を比較してみます。V'では円周率πを含んでいます。当然です。円柱はその「形」から円周率の「情報」を含んでいますから。ところでこの容器を傾けて図1のようにすると、いつの間にか円周率の「情報」が失われてしまいます。不思議です。形を見れば式中に円周率が入っていると予想してしまいそうです。側面が円いですから。しかし、それがそうではないとわかる。
直感的になぜかと問われると、う~ん^^;となってしまう。
話は変わりますが半年ぐらい前ですがこの問題を友達と解いたとき、結果を不思議に思い、これを使えば円周率が求めれられるなぁと気づきました。これを実際に実験して確かめようというのがこの記事です。
さて、どうやってVとV'の違いから円周率を求めるかと言うと、もうお分かりかと思いますが「比」です。詳しく言うと高さの比を用います。1つ目の高さはもちろん円柱の高さhです。2つも高さh'は次のように、
液体を汲んだ容器を傾け液面が中心になるようにし
そして水平に戻してもとめます。
このときの高さがh'です。
h'は簡単な計算で求められます。底面積がπr^2ですから、
もう見えてきましたね。少し式変形すれば、
これで円周率が求められる!
容器の高さを測り、簡単な操作の後、また高さを計るだけで円周率が求まります。簡単でしょう?
しかし、容器のには底の厚みがあるので
図3 厚みb
実際は、
になることに注意します。(h,h'は容器を床に置いたとき床から水面までの高さとします。そのほうが計りやすいので)
ここまで理論的な準備が整ったので今度は実際に実験してましょう。
実践篇へ続く
4日は初めて休まれたので心配していました。
この記事の考え方は以前紹介されていたので、記事のアップを待ち焦がれていました。
実践篇とあるので、実際にされてみたわけですね。
結果が理論と一致するといいですね。
初めてビュフォンの針で円周率を求める方法を知った時には感心しましたが、
実際のπの値と、パソコンの実験での測定値がけっこう開きがあり、残念な気もしました。
小数点以下1桁でもあえばいいですね。
別件ですが、ビュフォンの針を三角関数を使わず求める方法があったので
紹介しておきますね。
by m (2010-08-07 00:18)
先の方法をPageMに書いておきました。
数学的とは言えませんが、わかりやすいですよ。
by m (2010-08-07 00:45)
mさん、コメントありがとうございます。
さっそく記事を読みました。
面白い証明方法があるんですね。なるほど!と思いました。
by ミノ〜+ (2010-08-08 00:18)
こんにちは、はじめまして。
ぼくの誕生日が3月14日なので、円周率とは生まれた時から友達です。(^^;
しかし、こういうアプローチを拝見したのは初めて。
非常に面白く読ませていただきました。ありがとうございます!
by song4u (2010-08-14 09:57)
song4uさん、はじめまして、コメントありがとうございます。
3月14日とは良い日に生まれましたね^^。
僕もこの求め方は、自分で気付いたことですが、こういう方法もあるんだなと思いました。
求める精度は、ぜんぜん良くないですが実際に体を動かして円周率を求めるという意味で「ビュフォンの針」と同様面白い求め方だと思います。
by ミノ〜+ (2010-08-14 23:22)