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5月19日 中和滴定曲線 [日々の記録]

久しぶりに本降りの雨が一日中続きましたね。

 

勉強の記録。化学。

今日は化学平衡、特に溶液。

この分野にはいろいろと思い出がある。

僕は高校のとき科学部化学班で部長をやっていた。

ある研究の途中で塩酸と炭酸ナトリウムの二段階滴定での任意の滴定量での各イオンの濃度を知る必要があった。

これを求めるのにどれほど苦労したことか。

手元に資料が残っているので少し紹介する。

kagakubu1.JPG

kagakubu2.JPG

クリックで大きい画像が見れると思います。

この(10)~(16)式の7元連立方程式を解くのに夏休みの何日も費やしてしまった。

今ならうまく方針を立てて解けるのだが当時は闇雲に代入、代入でぜんぜんまとまらなかった記憶がある。

途中の式を載せる。

 kagakubu3.JPG

この炭酸水素イオン濃度を水素イオン濃度のみで表すだけでも複雑さがわかると思う。これを手で何度も何度も計算していたのである。

計算ミスを発見したときは泣きそうになった(笑)

最終的に[H+]だけの式にして滴定曲線を得ることを試みた。

kagakubu4.JPG

最終的にこのような式になる。 

この4次方程式を解けば滴定曲線が得られるのだが、これが高校生の僕には難題だった。

何日も悩んでいたあるとき、今でも覚えているのだが

机に座りながら宿題をしていたとき突然ひらめいた。

「ニュートン法」だ!と。

まぁ、ここにたどり着くまで四次方程式の解の公式を使ってエクセルで処理してみたりした。この場合は極端に係数が小さいし複素数が出てくるので答えがうまくでなかった。

 また、近似もしようとしたがどうしても厳密に解きたかったので断念した。近似の場合分けするとエクセルで濃度などを変えたい時いちいち計算しなおさなければならないからだ

しかし、このニュートン法でもエクセルで処理をしたら正しい答えが出るか疑問だった。

そしてエクセルに式を入力して計算させ結果を得た。なんとなく数値的に良いじゃないかと思いながら恐る恐るグラフのボタンをポチッとおした。

kagakubu5.JPG

そしてこの中和滴定曲線のグラフである。結構感動した。

濃度や水のイオン積をエクセル上で変更すると即座にグラフが書き直されるのがうれしかった。

また、得られた[H+]を他の式にも代入してその他のイオン濃度のグラフも得た。

kagakubu6.JPG

そして縦軸に対数をとったグラフ。

kagakubu7.JPG

教科書等には出てこないので興味深い。 

こんなわけで各イオン濃度の結果を研究に活かすことができた。 

 

 

 

2010/12/01追記:意外にもこのページに毎日何件ものアクセスがあるようで驚いています。今思うと、余りにも途中式を省略しすぎて分かりにくかったなぁと思います。ですから途中式が知りたいなどの要望、質問があればコメントください。すぐに返答できると思います。

 2013/01/02追記 http://edu2357athena.web.fc2.com/math/math/titration.html に詳しく書きました。 


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