ヘルマン・ヘッセ 「デミアン」の音楽 [読書の記録]
ヘッセの名作「デミアン」に登場するディートリヒ・ブクステフーデ(Dieterich Buxtehude、 1637年頃-1707年、本文中ではブックステフウデ)のパッサカリア。
心が重たくなると、ぼくはいつもピストリウスに、どうか古いブックステフウデのパッサカリアをひいてくれるように、とたのんだ。そんなときぼくは、日暮れの暗い教会の中にすわったまま、このふしぎな、誠実な、自分自身の中へ沈潜したような、自分自身に聞き入っているような音楽に、うっとりとなっていた。この音楽は、聞くたびごとに、ぼくをよろこばせてくれるし、たましいの声を是認する気構えを、いっそう持たせてくれるのだった。(p.188)
パッサカリアに特徴的な何回も反復されるバスが印象的。
こういう曲を聴くときはいつも音の構造美というのを感じる。
いつか教会で生の演奏を聴いてみたいなぁ。
2010-05-31 23:40
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